皆さんこんにちは!
株式会社ツバサオートメーション、更新担当の中西です。
本日は第8回制御盤設計雑学講座!
さて今回は
~鉄則~
ということで、制御盤設計における鉄則を詳しく解説し、プロフェッショナルな設計者が守るべきポイントを深く掘り下げます♪
制御盤は、工場・プラント・発電所・インフラ設備などで機械やシステムを制御するための重要な装置です。適切に設計された制御盤は、機器の安定動作・作業の効率化・メンテナンス性の向上・安全確保を実現します。しかし、制御盤の設計を誤ると、機械の誤動作・火災・感電事故・システムダウンなど、重大なトラブルにつながる可能性があります。
1. 制御盤設計の基本方針
制御盤を設計する際には、以下の3つの基本方針を常に意識することが重要です。
-
安全性(Safety)
- 感電や火災などのリスクを防ぐ設計。
- 過電流・短絡・ノイズ対策を徹底。
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機能性(Functionality)
- 必要な制御機能を満たし、将来の拡張性を考慮。
- シンプルな配線で作業しやすく、エラーを最小限にする。
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メンテナンス性(Maintainability)
- 機器交換や点検がしやすい配置。
- トラブル時に迅速な復旧が可能な設計。
2. 制御盤設計の鉄則
鉄則① 機器の配置は「熱」「配線」「メンテナンス」を考慮する
制御盤内部の配置設計は、発熱・配線の取り回し・メンテナンスのしやすさを考慮して行う必要があります。
🔹 発熱対策
- ヒーター・インバーター・リレーなど発熱する機器は上部に配置し、自然対流を利用する。
- 強制換気が必要な場合は、ファンやクーラーの設置を検討。
- 高温環境下では、耐熱部品の選定や断熱対策を行う。
🔹 配線ルートの確保
- 電源ライン・制御ライン・通信ラインは別ルートにして、ノイズ対策を徹底。
- 強電(200V以上)と弱電(24V以下)を分離し、誤作動を防ぐ。
- 端子台の配置を整理し、配線作業の効率を向上。
🔹 メンテナンス性の確保
- リレーやブレーカーは前面アクセスが可能な配置にする。
- 頻繁に交換する機器(ヒューズ・リレー・ブレーカー)は手が届きやすい場所に設置。
- ラベル・マーキングを明確にし、配線トラブルを防ぐ。
鉄則② 適切な電源設計を行う
制御盤に供給される電源は、機器の種類や使用環境に応じて最適に設計する必要があります。
🔹 電源の基本設計
- 主電源(AC200V・AC400V)と制御電源(DC24V・AC100V)を明確に分離。
- トランス(変圧器)を適切に選定し、電圧降下や負荷バランスを考慮。
- 無停電電源装置(UPS)の導入:重要なシステムでは停電時の対策を考慮。
🔹 過電流・短絡対策
- ブレーカー(MCB)やヒューズを適切に選定し、短絡事故を防ぐ。
- サージ対策(避雷器・バリスタ)を施し、雷や突発的な電圧変動に備える。
鉄則③ ノイズ対策を徹底する
工場やプラントでは、インバーター・モーター・高圧機器などが発生する電磁ノイズが制御盤に悪影響を与えることがあります。ノイズ対策を怠ると、誤動作や信号異常が発生するため、しっかり対策を講じることが重要です。
🔹 ノイズ対策の基本
- 強電系と弱電系の分離(配線ルートを分ける)。
- アース(接地)処理を適切に行う(接地抵抗を低くする)。
- ノイズフィルターを設置し、スイッチング電源の影響を抑える。
- シールド付きケーブル(STP)を使用し、信号線を保護する。
鉄則④ 保守・点検のしやすい設計
制御盤は長期間使用する設備であるため、メンテナンスのしやすさが非常に重要です。
🔹 保守性を向上させる工夫
- 制御回路をモジュール化し、交換作業を容易にする。
- 配線図を正確に作成し、更新管理を徹底する。
- 故障診断用のLEDやディスプレイを配置し、トラブル発生時に原因を特定しやすくする。
鉄則⑤ 最新の技術を活用し、制御の最適化を図る
近年、IoT・AI・クラウド技術を活用した制御盤が増えています。これらの技術を導入することで、効率的な運用やトラブル予測が可能になります。
🔹 最新技術の活用ポイント
- IoT対応のPLCやリモート監視システムを導入し、遠隔管理を可能にする。
- AIを活用した予知保全システムを取り入れ、故障リスクを低減。
- クラウド連携により、リアルタイムでデータ収集・分析を行う。
まとめ
制御盤設計における鉄則を守ることで、安全で効率的なシステムを構築することができます。
✅ 制御盤設計の鉄則まとめ
- 機器の配置は熱・配線・メンテナンスを考慮する。
- 適切な電源設計を行い、過電流・短絡対策を徹底する。
- ノイズ対策を施し、誤作動を防ぐ。
- 保守・点検のしやすい設計を心がける。
- IoT・AI技術を活用し、制御の最適化を図る。
最新技術を活用しながらも、基本的な設計ルールを守ることが、信頼性の高い制御盤を作る鍵となります。
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